重要文化財 春景山水図 岳翁筆

一休宗純(1394–1481)は、室町時代後期の臨済宗の禅僧です。後小松天皇(1377–1433)の御落胤とされ、幼くして出家しました。悟りに達したと師に認められながらも、地位や名声に執着することを嫌い、印可(悟りの証)を拒みます。また、詩作を好み、酒や遊興に身を置く破戒の姿勢を自ら示しつつ、禅の本質を追い求めました。晩年には、応仁の乱で荒廃した大徳寺の復興に尽力します。
本展では、重要文化財「虚堂智愚(きどうちぐ)墨蹟 送僧偈」や、公益財団法人三菱財団の助成による修理完了後、初公開となる「一休宗純と森女(しんにょ)図」を中心に、一休の師や弟子、同時代の禅僧による墨蹟や頂相(ちんそう)、さらに寒山拾得や布袋など禅の教えを表す画題の作品を紹介します。これらを通じて、一休の精神に触れていただきます。
また、本年は当館創設者正木孝之(1895-1985)の生誕130周年にあたります。これを記念し「孝之の審美眼」と題して孝之の企画した展覧会を振り返りながら作品をご覧いただきます。

主な作品


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