正木美術館 2010年春季展 天遊 国宝平安三蹟・千利休・人間国宝江里佐代子
3月27日(土)〜5月30日(日)前期 3月27日(土)〜4月25日(日) 後期 4月29日(木・祝)〜5月30日(日)
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展覧会の趣旨

天遊とは、天に舞い遊ぶような悠然たる境地のこと。
利休の参禅の師・古渓宗陳が、正木美術館の「千利休図」に寄せた詩のなかに《天遊睡後一清風》とある。
天に遊び、目覚めたあとの、あの爽やかな風のような心境。
利休の茶禅一致の境地を称えた言葉である。

今回の展覧会は、三つのテーマ「国宝平安三蹟」「千利休」「人間国宝江里佐代子」を柱に、作品たちが奏でる《天遊》の境地を展示室につくろうとするものである。

平安の雅が、おだやかに伝わりくる空間。
桃山のわび茶の世界に心満たされる時間。
そうした日本の伝統美を今へと繋ぐことに心技を捧げた人間国宝・江里佐代子の截金(きりかね)の世界が、時空を超えて展覧会全体を優しく包み込んでゆく。

今回もゲストを迎えた特別企画の春季展。
歌仙絵や茶道具と共に、春陽のひとときを清雅に存分とおたのしみくださいませ。

正木美術館
正木美術館
正木美術館 館内
正木美術館 館内
正木美術館 正木庭
正木美術館 正木庭

みどころ

国宝2点、重要文化財5点を含めた110点の名品を展示(展示替えあり)。
展示は次の5つによって構成され、それぞれに今回ならではのみどころがあります。

展覧会の構成

小野道風筆「三体白氏詩巻」国宝
小野道風筆「三体白氏詩巻」国宝

国宝平安三蹟 ー 必見!数百年ぶりの再会 ー

正木美術館の平安三蹟2点(ともに国宝)が登場。
二人の書聖に続けて出会える貴重な展示期間。

主な作品

・ 小野道風筆「三体白氏詩巻」(展示3/27〜4/27)
・ 藤原行成筆「後嵯峨院本白氏詩巻」(展示4/29〜5/30)

藤原行成筆「後嵯峨院本白氏詩巻」国宝 藤原行成筆「後嵯峨院本白氏詩巻」国宝

とりわけ、今回のトピックは、現在5メートルにもおよぶ長大な巻物である藤原行成筆「後嵯峨院本白氏詩巻」が、さらに長い巻物であったことを推測させる作品を、同時展示すること。少なくとも数百年ぶりの再会。秘蔵中の秘蔵作品を、関西初公開する。展示期間は4月29日(木・祝)〜5月16日(日)。平安の風雅が浮かびあがります。乞ご期待!

千利休 ー 生前の利休と出会う ー

正木美術館本「千利休図」の登場。
生前の利休の姿を伝える、
現存唯一の肖像画として名高い作品。
天正11年(1583)、利休62歳。
秀吉の茶頭になった年の、
気骨の精神がリアルに伝わってきます。
同時展示の、利休が床の間の軸として
重んじた墨蹟と水墨画の名品群もみどころ。

主な作品

・ 千利休図 古渓宗陳賛 重要文化財
・ 滅翁文礼墨蹟 春遊の詩 重要文化財
・ 墨梅図 絶海中津賛 重要文化財
・ 湖山図 文清筆 重要文化財

千利休図 重要文化財
千利休図 重要文化財
墨梅図 絶海中津賛 重要文化財
墨梅図 絶海中津賛 重要文化財
滅翁文礼墨蹟 春遊の詩 重要文化財
滅翁文礼墨蹟 春遊の詩 重要文化財

人間国宝江里佐代子 ー 截金の宇宙に夢中 ー

正木美術館の東洋古美術品と人間国宝・江里佐代子(1945−2007)の作品群とのコラボレーション。
1万分の1ミリの金箔を4〜6枚重ねあわせ、それを何分の1ミリの細さに切り、それを漆でつなぎとめながら文様をなしてゆくーー。
もともとは仏画仏像の装飾だった截金の技が、江里氏の手によって現代によみがえり、金銀の輝きと美しい彩色が創りだされた。
フランスで急逝した江里氏が、私たちに遺した截金の心技(文字通り心のなせる技)とその美の世界をご紹介します。

主な作品

・ 截金彩色まり香盒 ・ 截金彩色まり香盒 ・ 截金彩色糸巻香盒

截金彩色まり香盒 截金彩色まり香盒 截金透塗棗
截金彩色まり香盒 截金彩色まり香盒 截金彩色糸巻香盒

歌仙絵 ー 秘蔵の宗達の歌仙絵登場 ー

正木コレクションの歌仙絵の優品を展示。
特別ゲストは、3月27日〜4月11日限定展示の、俵屋宗達が描く三十六歌仙絵2点。
東京某所の秘蔵作品が、正木美術館の展示室に登場します。
めったに眼に触れぬ名品をお見逃しなく。

主な作品

・ 三十六歌仙絵 斎宮女御
・ 三十六歌仙絵 凡河内躬恒
・ 三十六歌仙絵 僧正遍昭

三十六歌仙絵 斎宮女御
三十六歌仙絵 斎宮女御
三十六歌仙絵 凡河内躬恒
三十六歌仙絵 凡河内躬恒
茶杓 利休作 銘ゆみ竹
正木邸 茶室
黒楽茶碗 長次郎作 銘両国
長次郎黒茶碗 銘両国

滴凍の茶道 ー 手のひらにのる瀟洒な世界 ー

正木美術館の創設者・正木孝之(号・滴凍1895−1985)
遺愛の茶道具の展示。
滴凍の美意識が育んだ茶の美の世界を紹介します。

主な作品

・ 黒楽茶碗 長次郎作 銘両国
・ 茶杓 利休作 銘ゆみ竹
・ 大名物肩衝茶入 銘有明

大名物肩衝茶入 銘有明
左:藤重作 瓢形茶入  右:利休作茶杓 銘ゆみ竹
創設者・正木孝之が昭和25年(1950)に建てた本宅の広間に、皆様をお招きします。展覧会のテーマに沿った講演会を、その道の専門家をお迎えし、行います。また、恒例の館長・正木久彦による館長茶会と、主席学芸員高橋範子による卓話「床の間の一幅を愛でながら」も、回をひとつひとつ重ねながら、大切に熟成させてゆきたいと願う催事です。国公立館にはない、私立美術館ならではの、人と人を、また人と作品をつなぐサロンのような心地よさを、ぜひお楽しみにいらしてくださいませ。

関連プログラム - 展覧会入場者対象。
【1】〜【4】は事前申込。希望の催し物名と開催日、住所、氏名、年齢を明記の上、往復はがきか、メールでお申込みください。

【1】 講演「道風の三体白氏詩巻」
    九州国立博物館 学芸部主任研究官 丸山猶計

日時:4月17日(土) 14:00〜 終了しました。

国宝小野道風筆〈三体白氏詩巻〉が日本の書のなかでもっとも好きだという若き書蹟の研究者丸山猶計氏に、その魅力をたっぷりと語っていただきます。


【2】 講演「截金と江里佐代子」
   平安仏所 主宰 江里康慧

日時:5月15日(土) 14:00〜

※たくさんの応募ありがとうございました。
  応募は締め切らせていただきました。
江里佐代子氏の〈截金〉は、仏像に荘厳なる文様を施すことに原点をもつ。その仕事と魅力を、仏師であり、夫の江里康慧氏に語っていただきます。なお、講演に先立ち、銀閣花方・珠寳による献花式「鎮魂 江里佐代子に捧ぐ」をおこないます。


【3】 第3回 館長茶会「天遊」

日時:4月3日(土) 終了しました。

(1)10:00 (2)11:00 (3)13:00 (4)14:00

日時: 5月29日(土)

(1)10:00 (2)11:00 (3)13:00 (4)14:00

※たくさんの応募ありがとうございました。
  応募は締め切らせていただきました。
館長正木久彦による茶会。
正木美術館ならではの道具立てでお迎えします。
参加費1500円。各席15名。


【4】 第3回卓話「床の間の一幅を愛でながら」
    正木美術館主席学芸員 高橋範子

日時:5月8日(土) 14:00〜

※たくさんの応募ありがとうございました。
  応募は締め切らせていただきました。
正木邸の床の間に、一幅の軸を掛け、その作品にまつわるいろいろをお話します。ひととき、中世に心あそばせる時間を。


メールにてお申し込み下さい。

ギャラリートーク 展示室で作品の解説を行います。
(1)4月10日(土)14:00〜   (2) 5月3日(月・祝)11:00〜   (3)5月22日(土)14:00〜

展覧会インフォメーション

会場 正木美術館
会期 2010年3月27日(土)〜5月30日(日)
【前期】3月27日(土)〜4月25日(日)
【後期】4月29日(木・祝)〜5月30日(日)
開館時間 10時00分〜16時30分
※入館は閉館の30分前まで
休館日 毎週水曜日
但し5月5日(水・祝)は開館
4月26日、27日、28日、5月6日は休館
料金 一般 700円(600円)、大・高生 500円(400円)
小・中生 300円(200円)
※( )内は20名以上の団体料金。いずれも消費税込み。
主催 正木美術館、毎日新聞社
お問い合わせ電話 正木美術館  0725−21−6000
所 在 地 大阪府泉北郡忠岡町忠岡中2-9-26
交通アクセス 南海本線難波駅より泉大津駅(約20分)各駅停車にて忠岡駅(約1分)
関西空港駅より春木駅(約20分)各駅停車にて忠岡駅(約1分)
忠岡駅より徒歩約10分
泉大津駅/春木駅よりタクシーで約5分
正木美術館へのアクセスはこちら

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