財団概要 Outline

ごあいさつ

「世界を文化の灯で包む」という理念には、時代を超えた素晴らしい価値があります。理事長 加納 武

正木美術館は、創設者・正木孝之の「文化の灯 世界を包め 赫々と」ということばの思いを常に引き継いできました。館の創設時は、わが国が戦後の貧しい時代を経て、高度経済成長期に入った時期であり、人々がこぞって物質的豊かさを追い求める風潮にあったと言えるでしょう。そういう時にともすれば後回しにされがちな文化遺産の継承や保存、あるいは研究に積極的に取り組み、美術館を創設された功績は計り知れないものがあります。それから半世紀近くになる今日でもその意義はますます深まっています。
「文化の灯」はいつの時代にも赫々と燃えていなくてはなりません。現代において高度に発達した科学技術と創造の源たる自然の間に調和的関係が築かれているのでしょうか。近年、自然災害や人為的事故の規模は途方もなく大きくなり、かつ頻発もしています。また、世界の政治状況の中でも力と力の対立が突出して、社会全体が不安定化しています。
こうしたことを考えますと、創設者が唱えた「世界を文化の灯で包む」という理念には、時代を超えた素晴らしい価値があると思います。私たちは、貴重な文化財の保存、管理と芸術文化の発展に貢献すべく、「意義深い時間」と「楽しい場所」の創造に一丸となって努力する所存です。どうか皆様のご理解をお願い致します。

専門家の方のみならず、幅広い層の方々にも楽しんでいただける美術館づくりを目指します。館長 正木 久彦

正木美術館は、創設者正木孝之の長年にわたる東洋美術品と土地建物との寄付により昭和43年に開館いたしました。
まず、平安時代の小野道風や藤原行成の書蹟(共に国宝)をはじめ和様書道の精華を所蔵していることを知っていただきたく思います。特に、鎌倉、室町時代、あるいは唐、宋、元時代の水墨画や墨蹟の名品群により中世禅林文化の宝庫として内外から高く評価されています。また、孝之が熱心な茶人であったことからも、利休62歳の寿像「千利休図」(重文)をはじめとし、茶道具類も多数あり、多くの方々に日本文化の魅力を体感していただきたく思います。
展示館の隣に茶室を備えた正木記念邸(登録有形文化財)があり、その活用を図っていきます。これら以外にも、美術的価値の高い埴輪や銅鐸といった考古資料、さらに奈良時代から江戸時代にかけての見事な漆芸などの美術工芸品なども数多く収蔵しております。
これからは、専門家の方のみならず、出来る限り幅広い方々にも楽しんでいただける美術館づくりを目指す所存です。
多くの方々に正木美術館に来ていただき、芸術、文化のエッセンスに触れていただくことができれば幸甚でございます。

公益財団法人正木美術館 定款

定款(PDFダウンロード)pdf

役員名簿

理事長
加納 武
常務理事
正木 久彦
理事
河田 昌之
監事
萬野 俊史
評議員
小西 正文
評議員
西田 宏子
評議員
穂積 康一