
古代中国の人々は神仙の住処とされる山河、すなわち山水を崇拝しました。神仙に近づきたいという願いから、山水は描かれるようになります。やがて唐時代に確立した水墨技法と交わり、水墨の山水画が誕生しました。
日本には鎌倉時代に中国に渡った禅僧などによって水墨画が伝わります。室町時代には水墨山水画が描かれ、隠遁愛好の詩画軸、詩からの独立、山水の和様化、動きの導入など、独自に展開します。
本展では当館の室町水墨画コレクションの中から山水画に注目します。さまざまな山水画を「季節」「技法」「景勝」「詩画」「地域」といった五つの視点で捉える展覧会となります。正木美術館の真髄たる室町水墨画をご堪能いただければ幸いです。
また、本年は当館創設者正木孝之(1895-1985)の生誕130周年にあたります。これを記念し、「孝之の審美眼」と題して孝之の企画した展覧会を振り返りながら作品をご覧いただきます。
主な作品
