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一、室町の風雅二、中国の文人の世界三、江戸の文雅四、風に和す
展覧会の構成
三、江戸の文雅 ― 祇園南海・与謝蕪村・青木木米・田能村竹田・貫名海屋・雲華上人・岡田半江・山本梅逸
江戸の文人たちの文雅の場のおもしろみとはどんなものだろう。それは室町の風雅と、どれくらい違うのだろう。あるいは同じなどだろう。江戸の文人画を紹介する。
枯木叭々鳥図(図8) 与謝蕪村筆 江戸時代 18世紀  全期間

江戸時代中期の画家・与謝蕪村(1716―83)が描くさわやかな彩色の画面。
蕪村は俳人としても知られ、その感性的で浪漫的な作風は絵画にも通じている。
叭々鳥は、中国の吉祥の鳥。戯れる鳥たち。 舞いあがるような樹木の幹の表現。
自然界の一場面を、ユーモラスに描きだす。

墨竹図(図9) 田能村竹田筆 江戸時代 19世紀  全期間

墨だけで描く竹の図。
室町の世でも、中国の文人にも描かれた墨竹が、
江戸の文人の筆に託されると、このように洒脱でユニークな竹の姿となる。
画家は江戸後期の文人画家・田能村竹田(1777―1835)。名前まで、竹めぐり。
豊後(大分県)の竹田に生まれ、大坂郊外の吹田に没した。
藩医の子で、儒学に続き、詩画を学び、藩政への建言書が受け入れられず、官を辞し、文人として自立。
この絵は、画家の主治医であった京都の旧家に伝わる名画。在りし日の画家・竹田に出会うような作品。

自然界の一場面を、ユーモラスに描きだす。

青木木米像(図10) 田能村竹田筆 江戸時代(文政6年・1823)  全期間

これもまた、田能村竹田が描いた画。
描かれた人物は、青木木米(1767―1833)。江戸後期を代表する文人。
陶工、画に秀でた。京都鴨川べりの料理茶屋木屋に生まれた。田能村竹田が描く、この木米像。
江戸の後期の文人たちの文雅のひとときを彷彿とさせる。煎茶をたのしむ木米爺さまである。

瓶花図(図11) 岡田半江筆 江戸時代(天保7年・1836)  全期間

文字どおり花瓶にいけられた花々を描く図。
高く花瓶を積みあげて、清楚で華やかな花木の美を画面に満たす。
鶏頭が咲く。菊が咲く。竹が優美な舞をする。
花木がみちびく風情もまた、文人たちの愛した美の世界だった。
岡田半江(1782―1846)は江戸時代後期の文人画家。
父の米山人とともに、大坂を代表する文人画家である。

山水図(図12) 祇園南海筆 江戸時代 18世紀  全期間

江戸時代中期の文人画家・祇園南海 (1677-1751)が描く山水の図。
水辺の岸で、二人の人物が語り合う。
のどかで静かな時間が、描きおこされる。
文雅三昧の象徴的な風景。 紀州(和歌山県)ゆかりの画家。
海辺のかの地の文雅のひとときが浮かぶ。

二、中国の文人の世界
四、風に和す


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