江戸時代中期の画家・与謝蕪村(1716―83)が描くさわやかな彩色の画面。
蕪村は俳人としても知られ、その感性的で浪漫的な作風は絵画にも通じている。
叭々鳥は、中国の吉祥の鳥。戯れる鳥たち。
舞いあがるような樹木の幹の表現。
自然界の一場面を、ユーモラスに描きだす。
墨だけで描く竹の図。
室町の世でも、中国の文人にも描かれた墨竹が、
江戸の文人の筆に託されると、このように洒脱でユニークな竹の姿となる。
画家は江戸後期の文人画家・田能村竹田(1777―1835)。名前まで、竹めぐり。
豊後(大分県)の竹田に生まれ、大坂郊外の吹田に没した。
藩医の子で、儒学に続き、詩画を学び、藩政への建言書が受け入れられず、官を辞し、文人として自立。
この絵は、画家の主治医であった京都の旧家に伝わる名画。在りし日の画家・竹田に出会うような作品。
これもまた、田能村竹田が描いた画。
描かれた人物は、青木木米(1767―1833)。江戸後期を代表する文人。
陶工、画に秀でた。京都鴨川べりの料理茶屋木屋に生まれた。田能村竹田が描く、この木米像。
江戸の後期の文人たちの文雅のひとときを彷彿とさせる。煎茶をたのしむ木米爺さまである。
文字どおり花瓶にいけられた花々を描く図。
高く花瓶を積みあげて、清楚で華やかな花木の美を画面に満たす。
鶏頭が咲く。菊が咲く。竹が優美な舞をする。
花木がみちびく風情もまた、文人たちの愛した美の世界だった。
岡田半江(1782―1846)は江戸時代後期の文人画家。
父の米山人とともに、大坂を代表する文人画家である。
江戸時代中期の文人画家・祇園南海 (1677-1751)が描く山水の図。
水辺の岸で、二人の人物が語り合う。
のどかで静かな時間が、描きおこされる。
文雅三昧の象徴的な風景。
紀州(和歌山県)ゆかりの画家。
海辺のかの地の文雅のひとときが浮かぶ。