第2部 茶の美

主な作品V
伝長次郎作 黒楽茶碗 銘両国(桃山時代)

利休のわび茶の大成に寄与した陶工、長次郎の作と伝わる。利休は従来茶の湯において珍重されてきた「唐物」ではなく「和物」の茶器を使用した。利休以前にも、わび茶において和製茶器の使用が認められるが、それらは日常雑器からの転用であり、新たな茶器の創造ではなかった。すなわち、利休は長次郎をはじめとする陶工に制作を依頼することで、自らの好みを反映させた茶器を生み出し、茶の湯に使用した。黒楽茶碗は利休の美意識の具現化といえる。
黒楽茶碗は手捏ねで成形した器に鉄釉をかけ、焼成中に引き出して湯につける。この作業により茶碗は黒く呈色する。本作は半筒形の穏やかな作行きで、典型的な黒楽茶碗である。口部は内側へ抱え込み、口縁に緩やかな高低がつく。胴部には箆(へら)を回しわずかに締め、見込には大きな茶溜まりが見られる。

その他 主な出品作品

一休宗純墨蹟 滴凍軒号   室町時代
団扇破墨山水図 雪村筆 桃山時代
橙図 是庵筆 室町時代
古信楽蹲花入   室町時代
尻張釜 辻与次郎作 桃山時代
古染付山水絵長角水指   明時代
大名物 唐物肩衝茶入 銘有明   元時代
茶杓 銘ゆみ竹 千利休作 桃山時代
釘彫伊羅保茶碗   朝鮮時代
赤楽茶碗 銘武蔵野 三代楽道入(ノンコウ)作 江戸時代
向付 尾形乾山作 江戸時代
ほか 展示総数 約40点

ページトップに戻るページトップに戻る