主な作品1 一休宗純墨蹟 滴凍軒号 室町時代

滴凍軒号偈、絶天□紹禅人に焉(これ)を書して云う。
看よ看よ、曹源(そうげん)の要津(ようしん)に通ずるを。
涓(けん)を宗海に導くは、是れ何人ぞ。
氷消瓦解、三千界。一片の開花、一片の春。
康正二載黄鐘仲澣日 狂雲懶衲宗純


本墨蹟は、一休が絶天□紹禅人の住まいに「滴凍」という軒号と、それ
にまつわる偈を書き与えたもの。

自分たちの仏法は、曹源(禅の正法である六祖慧能の教え)の要津
(肝要な場所)につながっている。涓(小さい流れ)であるが、
その法を真理の大海へ導くのは何人であろうか。

一滴の水が、究め尽された慧能の法である氷を解かし大海へ流れ出すこ
とができれば、一片の花が開花し春の訪れを告げるように悟り
の世界が現れよう。

本墨蹟の「滴凍」は、孝之自身の雅号となり、また自邸に構えた茶室の
軒号となった。

一休宗純墨蹟 滴凍軒号

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